解決事例③離れて暮らす両親の将来のために家族信託と成年後見を併用
ご相談
関西で生活するご長男からさいたま市内で生活する両親(80代)の老後の生活をどのように支えていったらよいのかというご相談がありました。
兄弟がいないのでご両親の支援を頼める親族はなく、ご自身は仕事の関係で頻繁に実家に帰ることができないため、ご両親に何かあってもすぐに対応できないので大変心配とのことでした。
問題点
成年後見制度は専門職後見人に全財産を管理されるという点に親子ともに抵抗が あり、かといって長男が後見人になっても仕事があるため身上保護を含めた後見業務を一人ではやりきれないことから、長男を後見人候補者とする任意後見制度の利用も現実的ではありません。
ご提案
ご両親とご長男のご希望を伺い、ご両親に介護が必要になったときのことなどを話し合っていただいた上で、まずはお父様を委託者兼受託者、受託者を長男として、親族で管理したい財産(ご自宅、株式、定期預金)を信託財産とする信託契約の締結を提案させていただきました。
そして、将来両親の判断能力が認知症などで低下し、身上保護が必要となったときには、信託契約だけではご両親の支援として不十分であることを具体的にご説明し、後見制度を利用して両親の生活を支援することを提案しました。
この場合、先に信託契約を締結しているため、職業後見人が管理するのは信託していない本人の財産のみなので、成年後見制度のみを利用した場合のように本人の全財産を職業後見人に全面的に管理・処分されることはありません。